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お客様の切り方

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2019/06/03 (月)

お客様の切り方

 

 

あるキャストさんから、こんなご相談をいただきました。

 

「お客様の上手な切り方、好意の断り方を教えて頂きたいです。色恋で引っ張ってきたけれど、だんだんストーカーじみてきて、いよいよキツくなったお客様を切りたいです」

 

本当のストーカーなら切って良いと思います。ただ、ベテランさんの判断ならともかく、新人さんの場合、お客様から「外で会おう」などの連絡が頻繁に来るというだけで「ストーカー」と言っているだけという場合があるので、勘違いしないように気をつけなければいけません。

 

「色恋で引っ張る」ということは、恐らく、まだお客様との関係性が浅いと思います。

きっかけが色恋であっても、人間同士の信頼関係にもっていかなくては、遅かれ早かれ、つらい状況に追い込まれます。

 

お客様には、こんな風に思っていただけるのが理想です。

 

「こんなに俺のことわかってくれて、良い子に嫌われたくない。」

「彼女としてじゃなくても、友人としてでも仲良くしていたい。」

「こいつ、すげー!」

 

などという感じにとらえていただくと、何年も長続きします。

 

大きな山(付き合う・付き合わない問題)を越えた後、来店頻度が減っても、ゼロにならない状態が理想です。

 

また、費用対効果のバランスが取れていない場合も、厳しい状況になりがちです。お店で結構使ってくださっている方なら、お休みの日などに時間を使って「これだけ付き合ってくれているんだから、男女の関係じゃなくても、仲良く続けたいな」と、お客様自身に価値を感じていただけるなら、長く続きます。

 

「好きだよ」「付き合って」などと言っているうちは挨拶のようなものなので、本当の口説き(=お金を使うようになってきた)が始まったら、いよいよ腕の見せ所です。

 

口説かれたら、より近づいていくことです。

「本当にあなたと付き合ったら幸せになれるか、あなたのことをもっと知りたい」というスタンスです。

 

相手が近づいてくれば来るほど、受け身にならず、相手の喜ぶツボを探し、相手の喜ぶことをします。時間も使います。(受け身になっていると襲われます!むしろこちらから食ってやるくらいの気持ちで向かいます(笑)

 

お客様は、切らないのが基本です。

 

こちらから切るメリットは、あまりないので、相当なストレスで我慢できない場合や、他のお客様に時間が使えないので総合的に売上が落ちるなどの理由以外は「切る」ということは考えない方が良いです。特に、新人さんは、安易に「切る」ことを考えがちで、それでは成長しなくなってしまいます。

 

さて、それでも「切る」と決めた場合の方法です。

 

ダメ元で「付き合うのは、今は難しい。でも、あなたとは仲良くしていたい。わがままかもしれないけれど、こんな私でも良ければキャストとして応援して欲しい」と伝えるのもアリだと思います。

 

もし「絶対に切ろう」と思ったら、最後にめちゃくちゃお金を使わせて、そのあとは完全スルーで良いのではないでしょうか。人としてどうかと思いますが「絶対に切りたいくらい嫌な人」ということなのでしょうから。(ただし、夜道に注意ですよ……)

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