「最近忙しいんだ」
「お金がないんだ」
お客様のこの二つの言葉、別の言い方にすると……。
「君に使う時間はない」
「君に使うお金はない」
いずれも「君は重要ではない」という意味です。いわゆる、大人の断り文句です。角を立てずに、嫌われずに断る2大理由が「時間」と「お金」。
時間とお金は優先順位で決まります。「忙しい」「お金がない」というお客様の言葉を受けて「それなら仕方がない」と思っているようでは、まだまだ素人の域です。どうすれば、自分の優先順位を上げてもらえるかに注力するのがプロではないでしょうか。
また、さらに厄介なのは、来店しない理由を、お店のせいにするお客様です。
「スタッフの対応がイマイチだから」「他の女の子がちょっと気に入らない」などです。
これは、本当に対応がイマイチだったということもあると思いますので、詳細を聞き、真摯なクレームであれば、誠意をもって謝罪をした上で改善策を話し合うしかないですが、そうでない場合もしばしばです。
注意したいのが、そんなお客様の言葉を受けて「私のお客様を店の対応のせいで台無しにされた!」と、お店のスタッフや他の女の子に対して怒りを爆発させること。
感情あらわに怒るキャストの話を、スタッフが果たして素直に受け取るか疑問です。「あの子には、あまり関わりたくない」「協力したくない」と思われるリスクの方が大きいかもしれません。感情に任せて怒ってもプラスは何もないです。
スタッフさんには「いつもありがとう。こんなにちゃんと対応してくれているのに、お客様が気分を害しているみたい。困ったお客様なの。今度来た時も頑張ってなだめるから、引き続き協力してくれたら嬉しい!」
こんな感じで、スタッフの労をねぎらい「相談」「お願い」のスタンスで。
そして最後に。お客様の話で一番信じすぎていけないのは……。
「気に入っているのは、君だけだよ」
95%そんなことありえませんから。同じことを、自店舗、他店舗、50名くらいのホステスに言っていると思っていた方がよいです。
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